Flowとは?
エンタメに特化したパブリックブロックチェーン
Flowは高速で分散化された開発者に優しいブロックチェーンで、ゲームやアプリなど、それらを動かすデジタルアセットの基盤として設計されました。
Flowを開発しているのは、NFTゲームの先駆けと言われるCryptoKitties、NBA Top Shot、Cheeze Wizardsなどを提供しているDapper Labsというカナダの企業です。
CryptoKitties公式YouTubeより
NBA Top Shot公式YouTubeより
Cheeze Wizards公式YouTubeより
また、すでFlowは50億円以上の資金調達に成功しており、株主には、a16z、SamsungやGoogle Ventures、Coinbaseなどのベンチャーキャピタル・有名企業が名を連ねており、注目を集めています。
Flow開発の背景
Flowが開発された背景として元々Dapper labsは、Dapps(自律分散型アプリケーション)をEthereum上で開発していました。
しかし、Ethereum上のGAS代の高騰や、スケーラビリティ問題等のトランザクション性能の課題に直面し、Ethereumのブロックチェーンでは開発が困難であると判断し、開発者・消費者が利用できるエンターテイメント向けブロックチェーンとして、Flowを開発しました。
Flowのネットワーク上では、独自トークンである「Flow(フロウ)」が発行されており、多くの取引所でFlowが取引されています。
Flowの特徴
Flowの特徴についてここでは解説します。
Flowには主に以下の特徴があり、今後もFlowに関連したプロジェクトの発展が期待されています。
- 分散性が高いマルチロール型ノード
- スケーラビリティ対策
- 開発者に優しい仕様
分散性が高いマルチロール型ノードとスケーラビリティ対策
以前はEthereumのスケーラビリティ問題として、高額な手数料とトランザクションの承認に時間がかかり過ぎていました。
Flowは、それを解決するために承認の手続きを4分割し、それを各ノードやバリデータで処理することで、このスケーラビリティ問題の改善をしました。
開発者に優しい仕様
以前のEthereumのブロックチェーンでは、Solidityという独自の言語の習得が必要でしたが、Flowではより簡単なCadenceというエンタメに特化したスマートコントラクトの開発を目的としたプログラミング言語を使用しています。
またSDK(ソフトウェア開発キット)もあり、開発者がFlow上でのプロジェクトに参入しやすくなっています。
スマートコントラクトにおいては、これまでは一度ブロックチェーン上に公開してしまうとシステムの変更ができませんでした。
いかに優秀な開発者といえどもミスは生じる場合もあり、ハイリスクな部分がありましたが、Flowはスマートコントラクトをベータ版であればコードの改変を可能にしたことで、ブロックチェーン開発に慣れていない開発者でも開発しやすい環境を作りました。
Flowのエコシステムパートナー
Flowには、トップのエンターテインメントブランド、開発スタジオ、ベンチャー企業などで構成される豊かなエコシステムがあります。
エコシステムパートナーには、Warner Music、Ubisoft、NBA、UFCなどのグローバルIPブランド、Animoca Brands、Sumo Digital、nWayなどの大手ゲーム開発者、CircleやBinance、さらにはOpenseaなどの次世代の高成長スタートアップの中でも注目すべきプロジェクトがいくつかあります。
Flowの将来性と今後の可能性
2020年頃からDeFi(分散化金融)やNFTが注目を集めており、これらと相性が良いFlowは今後より大きく貢献することが考えられます。
日本においてもNFT経済圏は拡大しており、日本国内の大手暗号資産取引所であるCoincheakとDapperlabsは提携を結んでいます。
またゲーム、NFT、トレーディングカードにおいてFlowはEthereumより優れた開発環境を提供できることを提案しており、これまで開発したDapper labs社のアプリケーションをFlow上に移すことも公表しています。
EthereumではEthereum2.0の登場で現状の問題の多くは解決されると言われていますが、現時点でその実装には時間がかかるとされており課題は残されたままとなっています。
こうした現状もあり、今後よりいっそうFlowへの移行やFlowでのプロジェクト開発の発展が期待されます。